25人が本棚に入れています
本棚に追加
けれど。
自分が見た光景は見間違いなんかじゃなかったんですよ。
スタスタと足早に見て回る父親が、ある一ヶ所で立ち止ったまま、真剣な顔をして本のようなものを読んでいまして。
「何読んでいるの?」と、父が手にしているものを覗き込んだ時、この博物館の奇妙さが露わになったのです。
父が立ち止まっていたのは、最後の展示室。
そこに一つのノートが展示されていた。
誰もが読めるようになっている、単なる大学ノート。
それは、このN県歴史博物館の警備会社の日誌。
そこには、夜中に突然鳴りだす民族太鼓の音。
誰もいない展示室でセンサーが人を感知して鳴り響く警報。
動く筈のない人形が、場所を移動していた等、“異常報告”が記されていました。
ええ。
単なる怪奇日記ではありません。
きちんと会社に報告すべき『夜間巡回報告書』の中にそれらが記されていたのです。
ここは本当に、物の怪が棲む歴史博物館。
企画も多い博物館でもありますので、皆様、一度は行かれてみてはいかかでしょうか?
もしかすると。
あなたも何かを『経験』出来るかも?
最初のコメントを投稿しよう!