機械仕掛けの人形

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たった数年前のお話。 N県にある歴史博物館で、妖怪博士「井上 円了」とN県ゆかりの妖怪展があると聞き、温泉旅行がてら、見に行く事になりました。 河童やぶんぶく茶釜、人魚のはく製は勿論、天狗のお面や幽霊画、様々な資料も日本各地から集められ、オカルト大好きな快紗瑠にとっては、萌え萌えズッキュンなものばかり。 夢中になって見ましたとも! でもね。 その妖怪の展示会場では、まーーーーーーーーったく、何もありませんでした。 いわくつきの、四谷怪談の人形ですら美しいだけで「怖さ」は感じません。 事件は妖怪展で起きたわけではありません。 問題が起きた場所は、「歴史資料館」の常設会場。 そこには縄文時代の文化やこの地域での米作り。 N県の人々の暮らしや努力をまとめた資料だけでなく、雪国ならではの「くらしぶり」を再現したものが、人形や発掘物、実寸大模型を使って大がかりに展示してありました。
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