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エピローグ
きっと、不可分だった。
離れていたのに、いつの間にか。
離れていたからこそ、いつの間にか。
8年間、ただただ想いを寄せたまま。
返事を要求することもなく。
一人で立って歩く覚悟も決めて、
ただひたすらに信じて背中を押してくれた女(ひと)。
胎盤のような水面は心地良過ぎて。
溢れんばかりのその想いに、溺れただけ。
そんな、眩しくて喉から手が出るほど欲しくなる温もりを
今更手放すなど、勿体なさ過ぎて。
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