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それから1時間後の午前3時。
《ピーンポーン……ピーン…ポーン……ピンポーン》
「誰どいや!こんな時間に!!」
鳴り止まない呼び鈴の音に苛々しながら身を起こし、玄関へと荒い足音を立て歩を進める。
「今何時や思っ…… あれ?誰もいない?」
非常識な来客に怒鳴りつけてやろうと、勢いよく扉を開けるが、外には誰の姿もなく仕方なくサンダルを履き部屋の辺りを見渡すが、やはり誰も居なかった。
……が、
青年が扉を閉めて部屋へ上がろうとした時、ふと視線の中に先ほどまで無かった、その場には不自然なモノが目に付いた。
「…… ヤクルポ?」
青年は不信に思い、玄関マットの上に鎮座する独特の凹凸のある容器を手に取ると……『乳酸菌飲料 ヤクルポ』と書かれた新品の乳酸菌飲料とストローのセットだった。
「何故にヤクルポ?…… あれ?ワシ布団綺麗に直したっけ??って!うわぁ!?なんじゃこれ!?」
見た目は何ら変わりのないソレを手に寝室へ戻り、直した覚えのない布団を捲ると、贈答用…… 否、まるでお供え物のように丁寧に熨斗が巻いてある、ヒキガエルの干物が2つ枕に顔を乗せ、置かれていた。
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