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だが、今日はいつも停める海岸沿いの駐車場ではなく、峠を上がった先にある駐車場に車を停め、いつものように目を閉じて耳をすませる。
…… 車が近くを通るから少し騒がしい。
ゆっくりと車から降りて海の近くまで歩く。
それでも少し騒がしいが、そこで漸く、いつもの心地好いハーモニーが聞こえてきた。
ところどころに白い雲があるが、綺麗な青い空、春先や冬とは違い、少しだが綺麗な濃紺の海。
大きく深呼吸をして、潮風を肺にいっぱい送り込み身体全体に染み渡らせる。
──── そろそろいこうかな?
近くに誰も居なくなるのを待ち、そう決心して更に海へと歩を進める。
地面が無くなり、浮遊感が何とも言えない気持ち悪さを感じさせるがそれも一瞬のこと。
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