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ややあって,誰からともなく口を開く。 「私,ういろってそんなに好きじゃないなー」 「ういろってさー,なんか地味っていうか,味が無くない??」 「ういろ専門…って言われてもあんまそそられないんだけど」 メンバーの反応は,意外なものだった。せなにとっては。 (みんな,ういろが好きじゃない…?) 名古屋に住んでいれば,おやつとして食べることも珍しくなかろうに。手土産としても使えるが,普段のお茶うけとしても親しまれているものだと思っていた。 「綾火は?」 気を取り直して,情報源である綾火を誘ってみる。 「なんか変わったういろもあるらしいし,気にはなってる」 好きとも嫌いとも言わないが,興味はあるらしい。 「でも今日はこの後すぐに帰らなきゃいけなくて。今度にするわ」 あえなく振られ,せなは独りでういろ専門店に赴くことになった。
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