傷痕と爪痕

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カーテンに閉ざされた、薄暗い寝室で、向かい合わせに立つ。 「ハル、辞めるなら、今だぞ。」 「辞めない。ナツさんは、辞めたい?」 「バカ、俺は…どんなか知ってるけど、  ハルは知らないだろ?  途中でやっぱムリとか、キツいし。  同じモノが付いてるし、同じモノ出すんだよ?  身体だって、ゴツゴツしてるし、  声だって……ンンッ」 知らないよ。でも、ナツさんを見て欲情するんだ。 髭面のおじさんでも、可愛い、色っぽいって思うんだ。 ナツさんのなら、大丈夫。 ナツさんとなら。 想いを込めて、覚えたてのキスをした。 そっと唇を離して、なごり惜しくて、何度も、チュッと短いキスを繰り返した。
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