第2章 幽霊の存在証明

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「タスケテ」 と叫んだが、金縛りのせいか、まったく声が出ない。 だが、他に出来ることもない。何度も必死に助けを呼んだ。すると、かすかに「タスケテ」とかすれ声が出た。 しかし、到底聞こえるはずもないかすれ声。どうしようかと悩んでいると、『自分の目の前』でTがはね起きた。 そのまま、自分の真横に駆けつけ、 「おまえ、どうした?!」 と言いながら、自分の身体を揺さぶった。 すると、ひゅっと、自分の胸から<彼女>が抜けていき、身体が動くようになった。 自分は、ほっと安堵し、Tに感謝を伝えた。
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