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「本当にありがとう……助かったよ」
「おまえ、どうしたんだ……?」
(しかし、一つ疑問があった)
「いやぁ……自分、声出なかったのに、なんで助けてくれたの?」
その言葉にTが一瞬固まった。
「おまえ、何言ってんだ?」
「え?」
「おまえ、大きな声で、『もう、あの家には帰りたくない!』って、何度も叫んでたぞ」
今度は自分が固まった。
自分は『タスケテ』と言っていたはずだが、Tには、別の言葉が聞こえていた。
Tが身に覚えのない言葉を叫んでいる自分を見聞きしており、自分も目の前ではね起きたTを見ている為、今までのように夢や幻覚で済ますことも出来ない。
この頃から、もしかして幽霊って本当にいるのかと思い始めた。
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