第2章 幽霊の存在証明

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「本当にありがとう……助かったよ」 「おまえ、どうしたんだ……?」 (しかし、一つ疑問があった) 「いやぁ……自分、声出なかったのに、なんで助けてくれたの?」 その言葉にTが一瞬固まった。 「おまえ、何言ってんだ?」 「え?」 「おまえ、大きな声で、『もう、あの家には帰りたくない!』って、何度も叫んでたぞ」 今度は自分が固まった。 自分は『タスケテ』と言っていたはずだが、Tには、別の言葉が聞こえていた。 Tが身に覚えのない言葉を叫んでいる自分を見聞きしており、自分も目の前ではね起きたTを見ている為、今までのように夢や幻覚で済ますことも出来ない。 この頃から、もしかして幽霊って本当にいるのかと思い始めた。
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