第2章 幽霊の存在証明

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◇◇◇◇◇ ある日、前日の居酒屋仕事で寝不足だった上、学校が休みだったので、昼の二時頃まで寝てしまった。 結果、十五時間くらい惰眠を貪っていた。 まず起床した自分がすぐにしたことは、寮の食堂に向かうことだった。 食堂様は稼働時間が限られている為、三時を過ぎると昼抜きが確定してしまうのだ。 一時間の猶予があったこともあり、問題なく唐揚げ定食にありついた自分は、他の寮生ともたわいのない会話を享受していた、まさにその――起きてから二時間くらい経過した――時だった。 襲う強烈な眠気。 あれほどの惰眠を貪ったというのに、これまで経験した事のない程の眠気だ。不思議に思ったが、眠気が消える訳でもない。とりあえず、この食堂で寝るわけにはいかないので、自室に戻ることにした。ここで寝てしまえば、他の寮生達に、額に『肉』と書かれるのは明白である。 今すぐ食堂のテーブルに倒れてしまいたい誘惑にあらがいつつ、椅子から立ち上がるも、眠気の為か、身体が異常に重い。
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