第2章 幽霊の存在証明

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目の前に、自分の部屋の天井が見える。 自分が大量の汗をかいているのが分かった。 瞬間、「ヤバい……」と思った。 自分は、金縛りになる直前、金縛りが『くる』と感覚で分かる。その感覚が襲ってきた。 ヤバいと思ったのは、金縛り=<へんなもの>が視えるからだ。 やはり視えてしまった。 仰向けに寝ている自分が首を下に向ける――金縛り中、何故か首だけはいつも動く――と、 自分の胸から青白く発光した女の子の目から頭頂部までが生えている――海面から頭だけ出しているイルカみたいに。 女の子はどうみても夢の中で金切り声をあげた女の子だ。 しかもこちらをかなり睨んでいる。 幼少時の耐性があるとはいえ、内心では恐怖に震え、これから何が起こるのだろかと未知への不安に怯えた。 しかし、出来る事と言えば、首を動かす事だけだ――と思った刹那、自分は首を左側へ向けていた。 当然だが、当たり前のようにTが反対側のベッドで安眠していた。 即座に自分は叫んだ。
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