2. 甘い猛毒の滴る果実

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真っ白でふかふかのベッドに沈む二つの影。 薄暗いルームライトが照らす深い影が重なり、揺らめき、軋む。 「っん…ふ、ぁ…んうぅ…っ」 小さな花の蜜を少しずつ啜るように、淡く色づく唇への優しく丁寧な愛撫。 舌で濡らしてはそっと吸い付き、時折噛みつく勢いでやわらかく食まれるこの行為を、何度も、何度も。 ほんの少し唇が離れるたびに響く艶めかしい水音。 それからまた与えられる熱い唇に反応する自分の声。 唇だけでなく耳まで甚振られる感覚に、元々の酔いと相まって頭の中が白く濃密な霧で霞んでいく。 「っも、やめ…っんぁ…」 「まだダーメ。ちゃんと息できるようになったらな」 「っそ、な…ふぁ、っんー…っ」 押し返そうと伸ばした手は難なく絡めとられ、ふわりとベッドに縫い付けられてしまう。 酔いと酸欠で頭がくらくらして、苦しいのに。 啄むように、遊ぶように。弄ばれる自分の唇から、少しずつ身体に熱が渡っていく。 ――息さえ、ちゃんとすれば。やめてくれる。 酸素の足りない思考の中藤堂の言葉を純粋に信じて、だから。 必死に息をしようって、身体が強張るのも生理的な涙がシーツに流れるのも我慢して、我慢して、受け入れた。 なのに。 「――いい子…」 「っぁ…!?やっ…んぁ…っ」 あろうことか、繋がった唇を押し入って、ぬるりと。 藤堂の舌が滑り込んできた。  
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