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「花火の日だし花火しましょう」
あたしも地面に置いた線香花火を手に持つ。
「ん。そうだな」
ポケットからライターを出して、花火に火をつける。
「じゃあ先に落ちた方からキスな」
「えー!」
キスを自分からするなんて、そんなことできないから絶対に落ちないでと念を入れて花火を見つめる。
「そんな熱心に見なくても」
「だって!!自分からキスはハードルが高いです!」
自分でも顔が熱くなっていくのがわかる。
「その顔やばい」
チュッと軽くキスをされる。
「もう賭けとかどうでもいい」
そう続けて更に深くキスを落としていく。
「んっ…」
自分から漏れる自分の声ではないような声に一気に体温が上がっていく気がする。
「俺の彼女ってことでいんだよな?」
「はい…」
そう頷くと更に深いキスが待っていた。
「…線香花火みたいにすぐに消えるんじゃなくてずっとずっとお前に愛を伝え続けていくから」
彼の言葉はあたしの奥底に刻まれた。
-FIN-
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