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「人に家でラブラブにならないでね」
一部始終をみていたのだろう。
日向さんがあたしたちと同じ目線になる。
「日向よくわかったな里利子のこと」
「お前な、入学してから俺たぶん毎日里利子ちゃんの顔見せられてるぞ」
「うわっ。ハズイから言うなよ」
日向さんの口を手で覆って顔を赤くするマサ。
「よかった地下鉄に乗って」
「え?」
「地下鉄に乗って日向さんに出会ってなかったらあたしマサに浮気されたと思い込んでて明日の入試も受けなかった」
「それは困る。ありがとな、日向」
マサが日向さんに頭を下げる。
「いいえ。明日入試なんだから早く帰ったほうがいんじゃない?」
「だな。帰ろうか。里利子。地下鉄に乗って」
マサがあたしに手を握る。
「うん」
地下鉄での出会い。
ある意味運命だったなって。
日向さんのであったからマサとの未来がつながった。
あのとき“地下鉄に乗ろう”って思った自分にあっぱれ。
-Fin-
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