失恋の先に

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「え?なにこれ…」 あたしの目の前に広がる光景。 これはどうみても浮気だろう。 「お前なんか遊びだよ。何本気にしてんの?」 見たこともなかった彼の冷たい瞳。 聞いたこともなかった冷たい言葉に声。 「えー?これ?マサくんが言ってた、地元にうざい子って」 「そうそう。なんか勘違いしてきちゃったみたいなんだよね」 馬鹿にしたようにあたしを見るふたり。 「もう、わかったでしょ?あたしが彼女なの」 “彼女”と言ったその女にドアから外に出される。 「好きだったのに…」 「まだ言ってるよ。本当にうざいんだね」 「早く行けよ。もう用ないだろ」 彼がドアをバタンと閉める。 マサとあたしは高校の先輩後輩だった。 部活で知り合って付き合いだしたんだ。 マサが地元を離れて約一年。 昨日だってLINEをしていて、仲がよかったはずなのに。 彼はずっとこの女の子と付き合っていたらしい。
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