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「どうしようかな…」
行き場のなくしたあたしが見つけたのは地下鉄の入り口。
「そういえば、駅から徒歩2分とか喜んでたっけ」
部屋を決めたあとに地元に帰ってきたときのことを思い出す。
マサとは高校一年生から付き合して、今あたしは高校三年生。
2年も付き合ってきたはずだった。
最後1年は遠距離だったけど。
今回マサと同じ大学を受けにきたんだ。
だから今日マサの家にいくことだってマサには言っていたし
マサも楽しみにしてくれていた。
でも、彼女の存在をバラす絶好の機会だもんね。
それで楽しみにしていたんだとやっとわかる。
「地下鉄に乗ろう」
あたしは彼の家のすぐ近くの出入り口から駅に入る。
行き先なんてない。
むしろこの地下鉄がどこに行く地下鉄なのかもわからない。
大学の入試は明日。
今日はマサに勉強に付き合ってもらうはずだったのに。
どうしても考えてしまうマサのこと。
「マサのバカ…」
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