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「キミさ、北海道だったりしない?」
「え?」
彼の言葉に本当にあたしにあったことがあるのかな?と思う。
あたしの地元は北海道だから。
「やっぱりそうだよね?」
“ほらっ”とスマホで写真を見せてくる。
「なんっ…」
彼が見せてきたのはさっき浮気されていたと知ったマサとあたしのツーショット。
「俺、マサの大学の友達ー。あ、今日くるって言ってたもんな。アイツかなり喜んでたでしょー?」
あたしをちゃんとした彼女のように言うこの人に疑問しかわかない。
喜んでるわけがない。
今日来るってことをこの人に言うのもおかしい。
「あたしのことからかってるんですか?」
「え?」
「あたしさっき浮気されてて振られたんですよ?それ知ってて言ってるんですよね?」
最低だ。
友達があの彼女のことを知らないはずがない。
「さっきってどこで?」
「家ですよ」
「ふーん。ちょっと俺の家にこない?」
怪しい笑みを浮かべて首を傾ける。
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