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「おい、てめぇまた俺の部屋にいただろ!」
マサがスマホで電話をかけたと思ったらすごい怒鳴り声で離し始める。
「さっさと帰りやがれ。俺の部屋をお前の女とのヤリ部屋にすんじゃねぇよ!」
そう話して電話を切る。
「マ、マサ?」
「あーもう。あいつは俺の双子に兄ちゃん。親が離婚してこっちにずっといたから里利子は会ったことないもんな。ごめん、あいつほんとむかつく」
あたしのことをぎゅっと抱きしめる。
「あたしが浮気相手なんじゃなかったの?」
「あいつそんなこと言ったのかよ。んなわけあるかよ。俺は里利子以外と付き合いたいなんて思ったことねぇよ」
マサの言葉にずっと我慢していたのだろう。
あたしの瞳から涙がボロッとこぼれおちる。
「だから、空港ついたら連絡しろって言ったのに」
「そのためだったんだ。ごめん、びっくりさせようと思って…」
「あーもう。くそー!アイツのせいで…」
あたしの横で頭を抱えるマサをかわいくて愛おしいと思う。
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