プロローグ

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 ゴールデンウィークも終わった5月中旬。深夜12時過ぎ。白河公園の若宮大通りをはさんだはす向かいにある居酒屋湘南藤沢 路 大須店。安くて旨いと評判の居酒屋だ。3人の若者たちが出てきて信号を渡り大須観音の方に歩きだした。3人ともだいぶ酔っているみたいだ。「あ~、漫空のコミックスペースもやっと完成したし、ちょっとゆっくりしたいな。」「ヤワナさん、でも今度はコミケがあるでしょ?6月の頭に当落が発表じゃなかった?」「そうだった。コミケがあった。今度は浅野さんが〆切守って描いてくれるといいんですけどね。それに夏のコスプレサミットの準備もしないといけないし。」「ヤワナさんも赤門通りの新理事長ですからね~。忙しくなりますね。」「そうなんだよ。引き継いだら結構大変で・・。雑用ばっかりだよ。この前もさ、前理事長からイベントで使うから大きな石を探して来いって言われてね~。石だよ。石!そんな石、こんな街の中のどこに落ちているんだって言いたいよね~。」「わははは」と楽しげに歩いている。「じゃ、僕は栄なので、ここら辺で失礼します。」 「了解!大輔君、またね~。気をつけてね~。」1人が反対方向に歩き始めた。残った二人はコンビニの角を曲がり大須観音の方に消えていった。
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