霊能者、明菜の物語

９０会(きゅうれいかい）

依頼人は、この９０会に手紙を出して依頼する。美咲の祖母が、依頼状を見て各霊能力者に割り当てる。が、中には美咲の様に他人に仕事を回す輩も居る。大抵は、明菜の所に来る。幼馴染みなのを良い事に、依頼状を封筒に入れて差出人は、自分の名前を書く。そして、ちゃっかり明菜の家のポストに入れる。家族は、美咲からの手紙だと思うから怪しまない。以前の男の子の件も、この方法で明菜に回したのだ。いくら、美咲に回された物でも放って置けない。明菜は、心底優しいのだ。美咲も、それを分かってるから明菜に仕事を押し付ける。美咲が祖母に、怒られそうなものだが、明菜は美咲が祖母に怒られてるのを見た事が無い。上手く誤魔化してるのか、孫だから甘いのか、分からない。明菜は、前者の方だと思っている。今日も、９０会には山の様に依頼状が来ている。９０会に所属する霊能力者は、明菜達だけではなく全国にいるのだ。美咲の祖母は、その中から場所や性質等を考慮して、割り当てている。近所ならば、美咲や明菜に割り当てる。という、具合だ。美咲の祖母、華江は依頼状の整理に忙しかった。