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去年は君をここに引きずり出したっけ。
自分の家が好きで休日は実家のどちらかに引きこもるから夢どころか現実まで時間が止まったままになってしまった。
西野にとっての何度目かの恋で僕の見かけた二度目はまんまとうまくいかなかったのもあるのかもしれない。
まんまなのは西野らしく思ったまま行動できずにその彼に彼女が出来てしまっただけなんだけどな。
そのくせいつものメンバーなら落ち込んで塞ぎ込んでる。
外行きのいい顔になった君は急に人が変わったみたいにそんな顔もしない。
「気にしてない」
「そんなんじゃなかった」
面倒くさくて腹立たしい見栄っ張り。
それじゃ誰にも気持ちなんて伝わりはしない。
一歩でも彼の前に踏み出していたらきっと手を握り合っていたのは君だったと思っているんだけどね。
君が君の本当を見せないで相手から安心だけを欲しがるなんてただの我儘だろ。
本当にまんまで驚く。
君はあの頃から変わってない。
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