人知れず

2/7

9人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
結婚?…かぁ そういった不安が頭をよぎった時から私の口から「結婚したい」が飛び出し、それが口癖になった。 結婚を強く意識しているわけじゃないしそれだけじゃない生き方も知らないわけじゃない。 けれど、自分がどう思われるかの不安にばかり募らせて疲れてしまってる私自身を安心させたいから。 付き合う人は好きと思ってる。でもお互いがそういう気持ちでいると安心した途端に別れがきてしまう。好きのカタチがあるなら悩まずに済むけれど、この世界には有り得ないから嘘でもいいカタチにしたかった。 いつの間にか結婚を前提で相手を探してる。好きの意味は次についてくるものになってた。 好きに意味なんてない。 好きだけじゃ欲しいのは手に入らない。 だから現実的に探す相手はそれを選んでいるのに今度は結婚どころかまともに付き合うこともままならない。 どんな男の人も、まともに私を知ろうとしない。 好きが後になったせいかより冷静に見ることが出来るようになって、おかげで見る目は養われてしまい逆に結婚に遠く感じてしまいさらに焦りが生まれてしまう。悪循環というやつ。 もはや「結婚したい」はただの口癖のようなものになってた 仕事も仕事だった。 目の前にある現実のために働く。楽しい職場だし人間関係も悪くない。けれど、自分じゃなくてもいいような不安もある。いつも不安になる。こなすだけの仕事になってはいないか?社内で私はどれだけ必要とされているんだろうか? 何もかもが不安になってた。 私自身、外見に注目されてしまうのはわかっている。多くはそれに寄ってくるし逆に距離を置かれてしまうことも。だから異性は最初から距離を置いてしまう。私を知らないくせにと頭の中で難癖をつけている。同性には面倒見のいい人間を装っている。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加