風と実

14/14
前へ
/114ページ
次へ
そして…忘れろとも。 嫌な言葉と成見自身を忘れろと思っている。 わざわざ細かいことを偉そうに言い嫌われようとしている。 私だけではなく一緒にテーブルを囲んでる私の同期の仲間にさえ。 思わずとった行動は。 成見の耳たぶをつまんで引っ張るだった。 「うるさいな」この時の成見の顔ったらなかった。 驚き超えて目が点になってるし。 「気にするなって言っても私は自分のしたことを忘れないし君は悪くないのは絶対だから。何をうるさく言おうが思い通りになるか馬鹿」 どんなヤツか…下手くそな演技で友達を守るために嫌われようとする。 そんな馬鹿だったんだ。 楽しかったのも。 喧嘩したのも。 話しをしていた記憶も普通で目立たない存在の彼がなぜ私の思い出にいたのか。 いい思い出の中に存在した友達の1人。 目の前にいる成見は数少ない私の大事な友達の友達。 なのにないがしろにしてしまったのは私だった。 それでもここに成見といて成見が気にするなというなら言ってしまった言葉は消えたいけど後悔しても足りないけど少しは沈んだ気持ちも浮いていいのかな。 どうして成見の耳たぶを不意にでも摘まんだ?この人の目は嘘をつかないからね。 離れていこうとするのが見え見えで捕まえやっただけ。 勝手に決めてしまうからちょっとした腹いせで強く摘まんでやったら成見の表情が痛みで歪むのも笑えてしまったけど。 まぁ許してよ。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加