居酒屋が好き

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「はい。ありがとう。ございます」空返事に近いのはどう扱うのが正解なのか、悩んでいるから。 私の不満げな顔もこのシーサーにも。 旅行先は沖縄だった。 いつもの居酒屋。 いつものメンバー。 そんな週末でも成見の参加は不定期でこの日も君はいなかった。 安野と私の二人で旅行しようと選んでいた。 そのパンフレットを真崎が捲り吹き出した。 思い出し笑いらしい。 修学旅行で行ったのも同じ沖縄だったと思い出した。 楽しかった。と、思う。 実はあんまり覚えてないけど。 真崎がパンフレットのページを開き指を差しながら私が似ていると成見が言っていたと笑いながら教えてくれた。 シーサーと私は似ている。 いつもの私はシーサーと変わりないと成見の目には映っている。 笑っていない私はそうらしい。 困った顔はよりそうらしい。 どうも成見の人を見る目はおかしい。 少なくともそこそこ可愛いと言われてきたのに。 少なくともそこそこ背も高くどんな服も似合うと言われてきたのに。 こいつはそこそこの私に気づいていない。 そう思ってしまう。 まぁ。肩幅もそこそこだけど。 まぁ。眉毛の太さもそこそこだけど。 私の好きじゃない私の方がずっと多いけど。
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