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「ないってこともない。いつも言ってたよね。絶対なんて有り得ないって」
「でも。ないものはないでしょ。どう見たって。僕がそう言っただけで安野は何も応えてない」
「もしかしてよ。あの二人がうまくいかなくて。それでもリリにはナリがいて。なんだろうなぁ」
「なんだろうなぁって言われてもね。結果は当然なんだから。たかだかの茶番なぐらいの話しで済む気がする」
「へぇ。じゃあ。もしユウならどうしてた?」
「何を?」
「リリみたいに助けようとしてくれたんですかね?」
「君を?」
頷く君と目を合わせながらあごをさする。
その場じゃないとわからない。
とは。
言わない方が良さそうな気がする。
「西野は。そういう状況にならないだろ」
「答えになってませんけど」
目線の変わらない君が上から冷めた視線を投げかけてくると若干の横柄な感もないわけじゃないな。
「感情まんまはないと思う。相手を知るのに時間かけるものね。もし安野と同じ状況ならその相手は西野の信じられる人なんだろうし」
少しも問いかけに対しての答えにはなってない。
でも。
まぁいいか。
なんて思ってしまった。
「それに君は案外と今の仕事好きだしね」
「なにそれ?」
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