居酒屋が好き

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今日の笑顔は最高レベルかもしれない。 君が気付かないのだから。 「じゃあ。もう少し付き合うしかないじゃん」 西野の想定外な言葉に驚く。 「えっ?」 片眉上げて見てくるから肩をすくめるしかない。 「なに?まさかリリとかリョウとかいないと会わないつもりなわけ?」 「うーん。どうだろ」 頭の中を巡ってみる。 「マジか。うーわ。うーわ。最悪でしょ。いきなり会わないとかあり得ないんですけど」 騒がしい気がする。 なんだか声も大きい気がする。 「というか。僕と一緒にいてもね。つまらないでしょう」 それでも出会ったころよりも嘘みたいな君じゃないと思えるだけ安心している。 気もしている。 「それならもっといい仲間が」 「つまらないならユウも変わんないじゃん」 重なる言葉。 わざとらしく西野がこちらを見ていないから。 たぶんわざと言葉を重ねてきたのだろうことぐらいはわかるかもしれない。 「話すにも相手に興味がないと続かないでしょ。話しかけられたら返すのは楽なんだよね。お題出されたようなもんだもん。まぁ。ナリには。関係ないだろうけどさ。相手に伝えるのも難しく考えちゃって次に何話そうで間が持たなくて。どうしようかなんて。思ったことなんてないんだろうしね」 聞いているつもり。 君の悩みなのか。 こちらへの不満なのか。 吐き出しているものはどちらなのか。 まったくわかりはしないが。 「それ考えるだけ疲れる。あー。ナリみたいになれたらいいのに。誰のことも気にしない性格が羨ましい」 ほとんど独り言みたいで。 もしかしたら目の前にいることも忘れているのかもしれない。 ぐらいの感じる気がする。 「気にしてない?」 うんうん。 君の頷く速さに少し否定したい気にもなる。 「気にしてないじゃん。すごく繊細なんですよ。こっちは。不安だって言ってるのにさ。どっちかというとこれからどうしようかなんじゃないですかねぇ」 「繊細というより他人にされたことをしつこく覚えているだけな気がするんだけど」 「はぁ?」 「いえなにも」 知らずに漏れていた心の声に口元に手をやって何事もなかったふり。 「まぁ。繊細なのかどうかはこの際はよけておいてだ。これからどうするかっていうのはどういうことなんだろうね」 たぶん睨んでいるだろう西野とは目を合わせないようにする。
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