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「……ぬわぉぇぇぃぃぃぁぁぁああ!!」
自室での4度目の雄叫び。恥ずかしさやら後悔やらが色々混じった、思春期特有の現象である。心情は察して欲しい。
バカなんじゃないか?作戦は一体何だったんだ?明日から僕はあの教室にどんな顔して行ったらいいんだ?いや、それよりも重大なのは……
去り際、彼女の胸元。咲いていたのは『青いバラ』。まさかの事態の為に見ておいたんだ。その意味について、僕はもう何も考えたくなかった。
「……ぬわぉおぇぇえああいいいぃぃぃぁああ!!」
「うるさいわよ! 勇気!」
母さんが怒鳴る。
うるさい。こっちはそれどころじゃないんだ。世界の破滅なんだ。
彼女の胸に咲いていた、青いバラの花言葉。それは『有り得ない』。自然界には存在しない色だから、そんな花言葉なんだそうだ。
明確な拒絶。彼女の本心である事に疑いようも無かった。
「心なんて、覗くんじゃなかった。知りたくなかった」
後悔しても、現実は変わらなかった。
そしてどんなに後悔しても、翌日はやってくる。
誰かが僕の心を見たら、きっと今なら黄色い菊が見えるだろうよ。意味?『破れた恋』。あはははは、なんてぴったりなんだろうね。あはははは。はあ。
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