魔法

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そのあとはおせちを食べて、一休みしてから、三人で初詣に行った。 元旦の神社は溢れんばかりの人で、毎年のことながら人に酔いそうになった。 途中はぐれそうになって、直ちゃんが手を繋いで歩いてくれた。 この年になって……と思うけれど、小さい頃からの癖というか。 いつものことだし、今さらどのタイミングでやめればいいのかわからなくて、ずっとこうしている。 「あ、佐藤じゃん」 人混みの中から、突然耳に届いてきた声に振り返ると、そこにいたのはクリスマスパーティーをしてから仲良くなった永田くん。 「あけましておめでとう」 「おめでとう」
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