魔法

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永田くんはあたしの隣をチラチラ見ていたけれど、ある一点を見て固まってしまった。 あ、絶対に誤解している。 「永田くん、あたしの兄」 「へ? 兄?」 「うん。はは、やっぱり誤解してた?」 「手ぇ繋いでるし」 そう、永田くんが見たのは直ちゃんと繋いでいるあたしの手。 「あたし、凄くトロいから、はぐれそうになっちゃって。ははは」 そう言いながら、あたしって本当に子供みたいだとちょっぴり悲しくなる。 「陽菜の友達か?」 「うん。同じクラスの永田くん。そういえば直ちゃんと同じ大学を受けるみたいだよ」 「へぇ、そうなんだ」
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