魔法

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「え、お兄さんも俊哉さんと同じ大学?」 「うん、一緒だよ」 「俊哉のことを知ってんのか?」 あたしと永田くんの会話を聞いて、直ちゃんが口を挟んできた。 「永田くんもサッカーをやっているんだよ」 「そっか」 直ちゃんは、なるほどと軽く頷く。 「永田くんは誰ときているの?」 きょろきょろと周りを見回すけれど、誰もいないように感じてそう訊いてみる。 「俺は冬馬とか、男ばっかで来てる。あいつらは今お守り買いにいってるから別行動してんだよ」 「そうなんだ」 そう言ったと同時に遠くの方から永田くんを呼ぶような声が聴こえてきた。 「俺、戻らないと」 「うん。じゃあ、また新学期にね」 「おー」 そのあとはなんとか人混みを抜けて帰ってきた。
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