第1章 6年後

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どんな彼だってステキなのはかわりない。 座椅子に座ってベッドサイドの彼を見上げると、高村くんとのことが昨日のことのように蘇る。 一緒にご飯を食べたことやペアのマグカップのこと、初めて緑のジャージを着たときのことなど思い出してし、切なくなる。 あんなに好きだったのに… 高村くんだって好きでいてくれていた あの頃、私が子供だったから彼は苦しかったんだ 今だったら彼の気持ちに答えられるのだろうか? ファンの1人になるって決めたのに、ここにいると彼を身近に感じて 恋の続きをしてるような気になる。 「会いたいなー。」 つい、口から漏れる彼への気持ち 直ぐに現実に引き戻されて、キュンキュンと締め付けられるように胸が苦しい。 「会えるわけないよね。」 苦笑いしながらまた独り言 胸がチクチク痛い。こんなことなら別のマンションにすれば良かったと、少し後悔した。
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