第1章 6年後

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クリーム色のマンションから出て、見上げると少し霞んだ水色の空 朝の空気はまだ冷たくて思わず薄いコートの襟を寄せた。 大学を卒業し、4月から社会人。 モデルは大学を卒業と同時にやめることを決意し、今日から社会人として働く。 優人との撮影を蹴ったという噂はマネージャーの言う通り広がってしまった。 イメージダウンしたのか、大きい仕事が来なくなってしまった。 レイの載っている女性誌は売り上げが上がるらしくオファーは来るが、優人贔屓の企業や雑誌からは敬遠されてるようだった。 仕事は定期的にあったからそのまま続けても良かったけれど、高2から大学4年まで六年近く続けてこれて報酬も少しずつ増えてお金も貯まったし、高村くんの仕事を体験できたし… もういいかなって思えた。 レイになれて楽しかった。時々他のモデルの意地悪はあったけど、全然気にならなかった。
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