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「冗談?
夕貴に会うことばかり考えて、今まで頑張ってきたよ。」
高村くんの真剣な目に胸がキューンと甘く締め付けられる。
「ホント?」
「本当だよ。夕貴のことを考えると頑張れた。
世間に認められて夕貴を守れる大人になれたら、会いに行くって決めてたんだ。」
嬉しい
高村くんはずっと私と会いたかったんだ
だけど…
高村くんが私を好きなのか?報告したいだけなのか?
まだ彼の気持ちが分からなくて…
胸の中はモヤモヤしてるのに聞くことができない。
「ありがとう、会いたいって思ってもらえて嬉しい。高村くん凄く頑張ってるね。元カノとしては鼻高々だよ。」
自分で言いながら、元カノの言葉に胸が締め付けられるように痛い。
彼女って言えたらどんなに幸せだろう。
高村くんの口から好きという言葉は出てこない。
彼の気持ちが知りたい
そう思うのに…
「ありがとう、頑張った甲斐があるよ。
ポスター、貼ってくれてるんだ。」
「高村くんが頑張ってるから、それを見て勇気を貰ってる。」
「そうか…、毎日見てくれてるんだ。」
嬉しそうに微笑む高村くん。あの頃と同じ笑顔なのに、心の距離は遠くに感じる。
「うん…」
「また来ていい?」
「う、うん。」
また来てくれる…彼の気持ちは分からないけど
次があると思うとキュンと胸が甘くときめく
「次の休暇は1ヶ月後くらいだから、その頃また来るよ。」
え、もう帰るの?
モヤモヤした気持ちのまま…?
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