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────卯月と健士に見つかっていることを知らない唯とクロエは、林で隠れて逢いびきの様なことをしていた。
なんのことはない会話だった。
「さっきテントまで抱っこしてくれてありがとう。でもごめんなさいだわ、迷惑かけてしまったもん」
「迷惑なんて思ってないよ。心配はしたけどな。救急車呼ぶとこだった」
唯が優しく笑うので、今日はジャージ姿の唯の腰に抱きついた。
「先生はジャージでもかっこよくていらっしゃるのね♪」
唯はドロワーズ姿のクロエが可愛いと思っていた。
そんな、愛玩人形みたいなクロエが、愛くるしい仕草で、愛くるしい事を言って、触れたい気持ちが膨らむ。
何かもうたがが外れた。
身を屈ませて、すっかり元気になって薄紅色に戻ったクロエの唇を深く奪った。
「は、んひゅ…」
クロエは唯の肩に腕を絡ませる。
ゆっくり口を放して、クロエの頭をぽんっと叩いた。
「キャンプファイヤーの準備。行くぞ?」
でこを指先で突いて、林から去る。
クロエはドキドキしたまま彼の後に続いた。
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