3

11/19
397人が本棚に入れています
本棚に追加
/558ページ
────卯月と健士に見つかっていることを知らない唯とクロエは、林で隠れて逢いびきの様なことをしていた。 なんのことはない会話だった。 「さっきテントまで抱っこしてくれてありがとう。でもごめんなさいだわ、迷惑かけてしまったもん」 「迷惑なんて思ってないよ。心配はしたけどな。救急車呼ぶとこだった」 唯が優しく笑うので、今日はジャージ姿の唯の腰に抱きついた。 「先生はジャージでもかっこよくていらっしゃるのね♪」 唯はドロワーズ姿のクロエが可愛いと思っていた。 そんな、愛玩人形みたいなクロエが、愛くるしい仕草で、愛くるしい事を言って、触れたい気持ちが膨らむ。 何かもうたがが外れた。 身を屈ませて、すっかり元気になって薄紅色に戻ったクロエの唇を深く奪った。 「は、んひゅ…」 クロエは唯の肩に腕を絡ませる。 ゆっくり口を放して、クロエの頭をぽんっと叩いた。 「キャンプファイヤーの準備。行くぞ?」 でこを指先で突いて、林から去る。 クロエはドキドキしたまま彼の後に続いた。
/558ページ

最初のコメントを投稿しよう!