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それから二人の教師を先頭に、簡単な校内案内に生徒達は赴いた。
最後尾をゆっくり歩きながら、クロエはどうにも落ち着かない気持ちでいた。
なぜ、あの男性教師を恐ろしいと思うのか。
はっきり、自分は多少のことでは物怖じしない性格だと自覚している(多分、極道の方々にドスを突き付けられても、平然としていられる程には)。
何より、ぱっと見ただけでも、先程少し会話をした時にも、今も、自分に害をあたえるような人物には思えないのだ。
いや?
自分だけではない、恐らくは誰にでも物腰の柔らかいタイプだろう。
生徒達に笑顔で特別教室の説明かなにかをしているその人物を遠目に見ながら、クロエは納得のいかない、なんとも不可思議な気持ちを持て余していた。
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