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「はいよー皆揃ってるー?このB組の担任の坂本や、年齢聞いたらしばくからなー?」 色んな笑い声が教室に響く。 「はい、んでこっちのんイケメンな、女子喜びやー、こん人が副担の小日向先生」 紹介されて、その男性教師は軽く会釈する。 「小日向唯です。担当科目は理科です。よろしく」 女生徒がキャアキャアと騒いだが、クロエはイヤホンから流れる音楽のおかげで煩い声を聞かずに済んでいる。 「何歳ですか?」 「彼女いるんですか?」 お決まりの質問に、小日向は苦笑しながらも応える。 「28、彼女はいません。作るつもりもない」 「ええー?!」 女生徒も男子生徒も、それぞれ面白そうに好き放題喋り出す。 「はいはいはい~、小日向はんは置いといて、とりあえずセオリー通りにな、みんな自己紹介してこお」 出席番号順でええな、と坂本が言い、騒がしかった生徒達も緊張気味にそれぞれ一人ずつ起立をして、おざなりの自己紹介を始めた。 名前、趣味、出身中学、etc 中盤になり、坂本がクラス名簿を見ながら次の生徒の名前を呼んだ。 「はいよー、次、姫園クロエ!」 「……」 イヤホンを両耳に当てたまま、クロエはまだ窓の外をつまらなそうに眺めていた。 はぁとため息を吐き、坂本がクロエの席に足早に歩み寄る。 「なにしとんねんボケ~!」 イヤホンを抜き取り、クロエの頭を軽く叩く。
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