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こんな自分でも、中学時代はウミについて、いろいろ思うこともあった。 周りの奴らに冷やかされるのが面倒で、わざと邪険な態度とったりしたりもした。 悪かったと思ってる。 僕は浅はかな子供でした。 でも今はそんなのも乗り越え、しごく平穏な関係。 居て当たり前の存在のウミが、そこに居ることが心地いい。 あんまり女子高生っぽくなくて、時々オバサンくさいこと言ってくるとことか。 幼く見られがちな外見とは裏腹に、案外しっかり者なとことか。 自分に足りない部分、いっぱい持ってるからな。 そうそう。 この前の週末も、クラスの仲間で集まって夜まで浜辺で花火してたら、ウミが心配して探しにきたんだ。 浅瀬を駆け回って逃げたけど、結局、最後は捕まった。 腕を引っ張られ、無理やり家に連れ戻される姿を見て、みんなザワついてた。 奴らウミのことなんて何も知らないから。 誰だ? あれ。 まさか彼女? みたいな。 ちょっと気分よくなる。 違うけど。 次の日すぐに否定するけど。 一瞬だけ自分の境遇を自慢したくなる。 べつに得したことなんて、あんま無いけどね……なんて言って。
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