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タツオ自身の声が流れる。自分の意思とは関係なく発生された命令をきくのは新鮮だった。夢遊病にでもなった気分だ。
「今回は戦闘ロボットに乗りこんでの限りなく実戦に近い戦闘訓練だ。各自気を引き締めてかかってくれ。マルミちゃん、敵の数は?」
マルミの声は冷静で、恐怖もためらいも感じられない。
「23機の戦闘ロボットを確認」
サイコの声がヘッドセットから響いた。
「いつもと同じで兵力3倍ね。訓練ももう8回目なんだから、わたしたちに勝つにはすくなくとも6、7倍の戦力を用意してくればいいのに」
タツオがいう。
「連戦連勝でも気を抜いたらダメだ。本番では絶対にミスができないんだからな。目標は完全に勝ちきること。本土防衛決戦には万にひとつの負けも許されない」
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