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つぎはいったいどんな死がやってくるのだ!
タツオは自暴自棄になっていた。抗時間加速薬はすべての人間のなかに眠る生命の全記憶をかきまぜ、瞬間的にアクセス可能にするようだ。
ある動物や人間に残されたもっとも強烈な思い出、それは非業の死の瞬間のことが多いのだろうが、を無理やり見せつけられる傾向があるようだ。
もう誰かの死に立ち会うのはたくさんだった。
時代は遠い過去から現代に近づいている。未来を夢見ることはできないはずなので、そろそろこの死の時間旅行も終わりに近づいているはずだ。
タツオの意識はそこで再び飛ばされた。
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