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 怒った竜が、ぐいと少女を掴んで引きずり立たせた。 「きゃあっ!」  今度の悲鳴は本物だった。  灌木にしがみついて離さなかった少女は、引きはがした竜の力に、枯れ枝の先で頬をえぐられ、肘から手首まで深く引き裂かれたのだ。  吹き出す血に驚き、竜が手を放す。    傷を押さえて、少女がうずくまる。  なんとやわな身体なんだ!  力の加減がわからずに少女を傷つけてしまった事に苛立ち、竜はますます怒りを募らせる。 「傷つけずに帰してやろうとしたのに!  なぜ逆らう!崖から放り出されたいか!」
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