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少女は痛む足を引きずり、竜のそばに這い寄り、その足に縋って見上げた。
「帰さないで。
ここに置いて。
・・・私、あなたが好きなの」
「人間の雌などと交尾する気はない」
少女の告白に、竜は冷たく見下ろして答えた。
少女は寂しそうに笑う。
「違うの。そんなことじゃないの。
いつもそばに居たい。
あなたを見ていたい。
あなたに触れてみたい。
それだけ・・・それを人間は、恋をしているって言うの。
私、あなたに恋をしたの。
人間の姿になったあなたに」
理解できぬ言葉を使われ、竜は戸惑って首を振った。
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