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20 「ばかな。  この姿でも、私は竜だぞ」  少女は微笑んだ。 「あなたを愛しているわ・・・。  人間にとって、それはとっても大事な事。  愛しているなら、なんだってできるわ。  死んだ方がいいって言われれば、死ぬわ」  立ち上がり、ふわりと後ろへ下がった。  崖の上でのけぞった形になり、ふうっと後ろへ倒れる。 「ば・・・っ!」  竜があわてて少女の細い胴を掴んだ。 「ばかなっ!何をするっ!」  少女はにっこり笑う。 「私を食べちゃってもいいわ」 「一度助けた者を誰が喰うかっ!」
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