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冷たい冷たい、心の臓を冷凍してしまいそうな声が。
「なんで…」
声が震える。
体が震える。
心が、震える。
「…愛してるよ、山クン」
ね、迎えに来たよ。
凍える声で愛を囁き、条間達樹は酷く冷たい指先にぐっと力を込めた。
条間達樹。条間家次男の成績優秀、眉目秀麗なエリート人生を送っていた優等生、小学5年、学級委員長。
6年では、生徒会長を務める予定だった、完全に勝ち組な人間だ。
天は二物を与えずなんていうが、神は条間に二物どころか三物も四物も与えたらしい。
その心根を犠牲にして。
小さな頃から優等生だった条間は賢く、俺から言わせればずる賢く、人を動かすことも嘘を吐くことも得意な恐ろしいやつだった。
そんな条間の最大の秘密を俺は知っていて、条間も俺が知っていることを知っていた。
最大の秘密。
簡単に言えば、いじめだ。
そう、美も知も、さらには家柄さえも完璧な条間様は、恐ろしいほどに歪んだ性格を持って育ち、幼馴染であった俺を幼き日からストレス発散の道具として扱っていた。
俺が何をどうまわりに訴えようと、幼子の戯言かお遊び、もしくは俺が逆にやつをいじめているように捉えられ、逃げようにも周囲や本人の威圧と拘束から、俺に救いの日々は来なかった。
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