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跪いた二人に進み寄り、戸惑いながら小さく呟いた。
「僕に腹臣は……必要ない」
その声に二人が顔を上げる。
「…なぜ、とお尋ねしてもよろしいですか?」
「……見ればわかるだろう?僕の『眼』はいまだ開いていない。火龍、水龍を束ねる程の力を持つ者が任えるに足る人物ではないだろう…」
視線を落とす。
言葉にしてみると酷く自虐的に感じた。
そんなラステアの言葉にライジスが前へ進み出る。
「……お言葉ですが、私はそうは思っておりません」
「ライジス…」
「それにただ腹臣として側に置く訳ではありません。……先日、ラステア様はその『眼』の事を私に任せると仰いました」
「…あぁ」
「二人にはその『眼』を開く手伝いを頼みました。…共に過ごすうち、ラステア様は必ず開眼なさるでしょう」
無表情に言い放つ言葉に目を瞠る。
「……それは確信か?」
「もちろんです。先日は『予測』と申しましたが、今は確信しております」
しっかりと頷き、意志の篭る瞳がラステアを見る。
「二人は、必ずラステア様の力になります。ですから腹臣は必要ないなどと仰らないでください」
「……わかった。カザニクス、ターナキア」
ライジスの言葉に頷き二人に向き直る。
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