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「わかった。僕は【ラスティ】か【ラース】で」
「…んじゃ【ラスティ】やな。【ラース】って先王固定の愛称やった筈やし」
「僕もそれ聞いた事あるよ。ダメだよ?固定愛称教えちゃ」
「…あ、ごめんね…」
「別に謝らんでえーけどな」
「そうそう」
この世界での『愛称』は打ち解ける事を前提か、打ち解けた相手にのみ教える決まりがある。
つまり、『愛称』を教え呼ばれる事が親愛の証となっている。
『固定愛称』とは特定の人物、主に親や恋人にのみ呼ぶ事が許されてる愛称の事で、特に身分が高い者の固定愛称を呼ぶ事は失礼に当たる。
ラステアの【ラース】という愛称は親である先王が呼んでいたものなので、他の誰が呼んでも失礼になるのだ。
失念していたとはいえ二人に呼べない愛称を教えた事に僅かに落ち込む。
そんなラステアの様子に苦笑し、カザニクスはソファーに座りながらその頭を撫でた。
「まーそぅ気にすんなや。ワイらは気にしとらんのやから」
「そーだよ~!ラスティってば考え過ぎだってぇ」
ラステアの膝に乗り上がったターナキアが笑う。
そんな二人に、自然に笑みを浮かべていた。
これが、全ての始まり…
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