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「ターナを止めてくれてありがと、ジギー」
「いんや、お安いご用や」
ラステアが礼を言うとカザニクスは嬉しそうに笑った。
「あー…礼なら茶ぁ、煎れてくれんか?ワイ、ラスティの煎れた茶ぁ好きや」
「うん。じゃ、部屋に戻ろうか」
「うんうんっ!早く行こ~!」
無邪気な笑顔を振り撒き、三人は中庭を後にした。
部屋へと戻る途中、廊下の隅に立つ人影に気付き足を止める。
その人影が誰かわかり、彼は小さく口端を吊り上げた。
「―…話していた物だ」
「…あんがとさん」
「あぁ。アイツにも渡してやれ」
人目を避けるようにいくつかの小さな包みを素早く渡す。
それをポケットにしまいながら、廊下の先を行く二人を追った。
ラステアの自室に辿り着き、ターナキアとカザニクスはソファーに腰を下ろす。
「ちょっと待っててね」
二人に背を向け、茶の用意をする為ラステアは二人を残し部屋を出て行った。
二人顔を見合わせ薄く笑う。
「…ねぇねぇ、どーする?」
「そやなぁ…。茶ぁに入れるか?ラスティの気ぃそらすんは簡単やろ?」
「だよねー!」
「…それよか順番や。いきなりっちゅーのは無理やろ」
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