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その瞬間、ラステアの動きが止まった。
ただ動いた目を見開く。
「…あ、れ…?」
手から滑り落ちたカップがカーペットの上に転がる。
それを拾い上げ、カザニクスはひどく嬉しそうに笑った。
「…予想以上やなぁ。さすがっちゅーか何ちゅーか…」
「ホントだね~!…ふふっ!ラスティ、びっくりしてるぅ!」
ターナキアも楽しげに笑いながらラステアの膝に馬乗りになる。
「ねっ!体、動かないでしょ?」
鼻が触れる程顔を近付け呟く。
「…なん、で…?」
訳がわからず混乱する。
「さぁ、何でやろな?」
「何ででしょ~?」
楽しげに笑う二人を見つめながら、ラステアの意識はゆっくりと遠のいていった。
「…ターナも薬の調合くらい自分でやりゃえーのに」
「だって面倒なんだもん」
「面倒って…アンタなぁ」
「調合ってねぇ、かなり細かいんだよぉ?天秤使って分量計ったりさぁ…粉ってくしゃみが出そうになるから嫌いなのっ!」
「くしゃみ、なぁ…」
そんな話をしながら、二人は準備を進めた。
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