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  小さく答える。 自分でもよくわかっていなかった。 直接触れられた訳でもないのに、他を撫でられただけで反応しているのが信じられなかった。 撫でるだけの愛撫がもどかしくて身を捩る。 それに笑いを押し殺し、気付かぬふりをして訊ねる。 「なんや?…ゆーてみぃ?」 「…、…わって…」 「ん?聞こえへんよ?」 「…触って…?」 「どこを?」 「…、…」 赤く染めた顔を背ける。 顎に指を掛けて仰向かせ、間近に顔を覗き込む。 熱に潤んだ瞳を見つめる。 「どこを、触って欲しいんや?」 ゆっくりと、口唇の動きを読ませるように囁く。 微かに震える睫毛が可愛らしい。 「ん?」 「…、…や…言えないよ…」 「…なんや、言えんようなとこ触って欲しいんか?」 思わず喉を鳴らして低く笑う。 「まぁえぇわ。…恥ずかしがり屋やなぁ」 「んっ」 溢れた涙を舌で掬う。 そのまま頬を伝って口唇を重ねた。 何度も軽く合わせるだけの口付けの後、額の『眼』に口付けた。 「ここ…必ず開かせたるからな」 うっすらと上気した頬を撫で、今度は深く口付けた。 口唇を割り舌を絡める。   片手で体を支えながら、もう片方で息づく熱に触れた。 ラステアの体が跳ねる。  
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