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かつて福岡県には筑豊炭田と呼ばれる炭鉱が広がっていた。
そのため、炭鉱の周辺にはそこで働く、炭坑夫とその家族たちが暮らす炭鉱住宅、いわゆる炭住が多く存在した。
この話はその炭住長屋で実際に起こった出来事である。
その日、炭住長屋は蜂の巣をつついたような騒ぎだった。
炭坑(ヤマ)で炭塵爆発が発生したのだ。
「どげんなったとね!?落盤ね!?」
「わからんたい!なんかの火が引火して爆発したとくさ!」
「早ようお医者さんば呼べ!担いで来たろうが!」
ヤマから救出された負傷者たちが続々と長屋へ運び込まれて来る。
ほとんどが坑内火災による火傷を負っていた。
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