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希美が目なし女に投げつけた本は、目なし女の体をスルリとすり抜けた。
希美はそんなあり得ない事態にパニックになって、泣きながら叫んでいた。
「何で? どうして私なの?
止めてよ! 来ないで!
お願いだから……」
目なし女は、アイスピックを持っている手を頭上にかかげて希美に言った。
「あなたの瞳を私にちょうだい」
そして目なし女が握りしめたアイスピックは、希美の目に振り下ろされた。
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